半身浴のレパートリー~ゆるめたい日のカモミール風呂

私たち日本人にとって、お風呂はなくてはならない文化。“半身浴”という言葉を使うと、女性のイメージが強いようにも感じますが、古くからのお風呂文化を遡れば、そこに男女の隔たりはありません。

◆ 健康と寄り添うお風呂の文化

例えば、旅行ででかけた温泉に、有名な武将が戦争で負った傷を癒したというような伝説が言い伝えられていたり、各温泉の泉質による効能を求めて人が集まったりと、元は豊かな温泉資源によって発達した文化なのでしょう。私たち日本人は、自然に入浴と健康を結びつけることができます。
江戸時代以降、町中に風呂屋が現れると、客寄せのためにさまざまな薬湯があらわれたそうです。

◆ お風呂に植物を入れる

現代にも残る、柚子を浮かべたり菖蒲を浮かべたりする風習も、健康とは無関係ではありません。
現代では入浴剤もさまざまな種類があり、手軽にいろいろなお風呂を楽しむことができますが、植物そのままの香りや働きは、言葉で言い表せない優しさを持っています。心や体が疲れてしまった時、植物の力を使わない手はないでしょう。

◆ “ゆるめる”のが得意なカモミール

リラックスを得意とするハーブは多いのですが、中でもやはりジャーマンカモミールの“ゆるめるパワー”は代表的です。精神的なリラックスだけでなく、体の巡りにも関係し、全身をゆるめように働きます。リンゴに例えられる甘くやさしい香りで、年代や性別問わず親しみやすいのもよいところです。
また、カモミールは、生理痛や胃痛にもゆるめ効果を発揮します。

◆ だしパックを活用する

カモミール風呂のやり方は簡単。ドライのジャーマンカモミールをお風呂のお湯に浸すだけです。
ただし、そのまま入れてしまうと後片付けが大変。市販のだしパックを活用するのがよいでしょう。だしパックに、半分程度までカモミールを入れます。あとはお湯に浸すだけで、ゆったりとしたバスタイムを楽しむことができます。

特別に自分を労いたい時、カモミールティーを賞味期限切れで余らせてしまった時など、自然そのものの癒しを味わってみてはいかがでしょうか。

[2016/04/11公開]